大麻の合法化と受け入れが進むにつれ、アスリートは、THC(テトラヒドロカンナビノール)やCBD(カンナビジオール)などのカンナビノイドが運動に効果的だと考えています。運動前後にカンナビノイドを使用することで、パフォーマンスを最大化し、回復を助け、運動後の不快感を解消しようとする人々が増えています。今回は、カンナビノイドの運動への影響について掘り下げ、運動前と運動後のどちらで利用するのが良いかを検討します。
運動前
運動前にカンナビノイドを使用することで、パフォーマンスが向上し、様々な効果が期待できると考えられています。ですが、THCなどの精神作用があるカンナビノイドの運動前の使用は控えたほうが良いでしょう。
痛みを抑える
2016年にEuropean Journal of Painに掲載された研究では、皮膚に塗布したCBDジェルが、関節炎のラットの関節痛や炎症を軽減することがわかりました。さらに、2020年にJournal of Current Sports Medicine Reportsに掲載されたレビューでは、CBDを含むカンナビノイドが鎮痛作用を持ち、ヒトの運動による痛みや炎症の軽減に役立つ可能性が示唆されています。
集中力とやる気
カンナビノイド、特にTHCが認知機能や意欲に及ぼす影響は複雑です。2013年にJournal of Clinical Psychopharmacologyに掲載された研究では、低用量のTHCは認知パフォーマンスを改善し、高用量は認知パフォーマンスを損なうことがわかりました。THCに対する反応は個人差があり、過剰に摂取するとパフォーマンスや協調性が損なわれる可能性があります。
エネルギーと持久力
カンナビノイドが運動中のエネルギーレベルや持久力に及ぼす影響を具体的に検討した科学的研究は限られています。しかし、2021年にSports Medicine誌に掲載された研究では、低用量のTHCがエルゴジェニック効果を発揮し、持久的運動中のパフォーマンスを高め、知覚的労力を軽減する可能性が示唆されています。これらの効果をより深く理解するためには、さらなる研究が必要です。
運動後
運動後のカンナビノイドの使用は、回復とリラックスに関連する潜在的な利点があるため、アスリートの間で人気を集めています。
筋肉の回復
カンナビノイド、特にCBDは、その潜在的な抗炎症作用が研究されています。2018年にFrontiers in Neurologyに掲載されたレビューでは、カンナビノイドの抗炎症作用と、炎症を抑えて筋肉の回復を促進する可能性が強調されています。CBDは運動後の痛みを緩和し、修復プロセスを助ける可能性があります。
リラックスと睡眠
CBDのようなカンナビノイドは、リラックスを促し、睡眠の質を向上させる可能性があります。2019年にJournal of Clinical Psychopharmacologyに掲載された研究では、不安障害や睡眠障害のある患者において、CBDが睡眠を改善し、不安を軽減させることがわかりました。十分な休息と睡眠は、最適なパフォーマンスと筋肉の修復に不可欠です。
食欲と栄養補給
運動後、身体はエネルギー貯蔵の補充と筋肉の成長をサポートするために十分な栄養を必要とします。運動後、食欲が減退し、回復の妨げになる方もいらっしゃいます。カンナビノイド、特にTHCは、食欲増進効果があり、この効果は運動後の食欲抑制に悩まされ、最適な回復のために十分な栄養素を摂取する必要がある人に有益であると考えられます。
まとめ
カンナビノイドを運動前後に使用するかどうかは、最終的には個人の好みや目標によって決まります。運動前にカンナビノイドを使用することで、痛みの管理や集中力を高めることにメリットを感じる人もいれば、運動後に摂取することで回復やリラックス効果が期待できることを好む人もいます。
カンナビノイドに対する反応には個人差があるため、ワークアウトに取り入れる前に、低用量から始めてその効果を見極めることが重要です。